ドリル勇の世界エロ発見

バンコク最終夜

エロマッサージ屋を探しておしまいだと

あまりいい感じの締めにならないので

最後はナンパで締めくくろう！


そう気合を入れて夜のカオサンを練り歩く。

しかし、禁酒日の所為か人はいるのだが

通り全体が盛り上がりに欠けている。


屋台は出ているが皆シラフなので

観光客は静かに練り歩いている感じで逆に新鮮なカオサンを見る事が出来た。

ただ

完全にノリが悪く、うまく引っ掛けることができないでいた。

ドリルもシラフだと頑張れない状況。


だが

深夜０時を回ってから状況が一変した。

酒解禁　カーニバルの開幕だ。


一斉にあたりのビアバーから爆音が鳴り響き

観光客たちの歓声が上がる。

ちょっとしたカウントダウンイベント状態のカオサン。

さっきまでの葬式ムードは何処へやら

所構わず抱き合い、ハイタッチで祝福した。


だがここでスタートダッシュに出遅れてしまい

ほぼソロで歩いている観光客は少なく

ある程度のグループで固まってしまっている。


ここでドリルはソロ狙いから

グループに入り込む作戦に出た。


５、６人で盛り上がっているグループに溶け込み

そのうちの１人と仲良くなる作戦だ。


ドリルが入り込んだグループは

ポーランド、イタリア、アイルランドの欧州組

イタリア人女性に「長友は良い選手だ」と褒められる。

そこで「森本も良い選手だ、あいつは和製ロナウドだ」と主張し

イタリア人女性をキョトンとさせたのだが

それはまた別の話なので割愛。


１時間皆ハイペースで飲み続け

気が付いた頃には１０人ほど増えていた。


ドリルは先ほどのイタリア人と後から入ってきたスペイン人と

３人でエロ話で盛り上がっていた。

「タイ人を買うくらいならナンパしたほうがマシだ」

と耳が痛いことを豪語していたスペイン人男性だったが

彼が「明日からパタヤで旅行者同士のS○Xパーティがあるんだけど来る？日本代表として」と誘われる。


すごく素敵な申し出なのだが

明日の１０時には帰国してしまう

「そのW杯には参戦できないと」不参加表明をしたが

「帰国なんて後にしろよ、盛り上がろうぜ！！」と

「サムライ魂ってヤツをオレに見せてくれよ」と

ドリルの心を鷲掴みにする単語をペラペラと述べてくる。



彼とはもっと早くに出会いたかった。



「ごめん、やっぱり明日帰らないといけないんだ」

「……そうか」



と悲しい表情をしながらイタリア人女性の肩を抱き

カオサンを去っていく。



あいつイタリア人連れて行きやがった！！


前哨戦でイタリアと戦うつもりなのか……。


こうしてバンコク最後の夜はスペインに完敗し

終わりを迎えた。



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